ミジンコでもわかるマーケティング論のノート:標的市場(ターゲット)の設定

「誰に」売るかを決めないことには、はじまらない

マーケティングとは、買い手の立場に立ってどのように製品やサービスを売るのかを考えることです。

ということは、そもそも買い手が誰なのかを知る必要があります。

ただ、顧客は顧客は一人ひとり異なったニーズを持っていますよね。

そのニーズにそれぞれ合わせて製品・サービスをつくると、値段が跳ね上がってしまいます。

(オーダーメイドのスーツなどをイメージしてくれればよいでしょう。)

なので、市場を構成する人々の、何らかの共通点に着目し、同じニーズをもった市場に分類する必要があります。

この分類することを、市場細分化(セグメンテーション)と呼び

分類された市場のことを、市場セグメントとよびます。

また、自分たちが狙う市場のことをターゲット・セグメントあるいはターゲット市場と呼びます。

市場細分化(セグメンテーション)の際の4つの基準

同じニーズを持った人々を分類することを市場細分化(セグメンテーション)と呼びますが

それを行う際の基本的な基準が4つ存在します。

(1)地理的基準

→地域ごとのニーズの変化を見て分類する。

(2)人口統計基準

→「女性は〜する人が多い」という風に、統計的な数値を基準に分類する。

(3)心理的基準

→「外向的、内向的」という風に、人の内面、心理的状態に注目して分類する。

(4)行動基準

→「使用頻度」など、消費者の行動に着目して分類する。

以下、一つひとつその内容について細かく調べていきます。

地理的基準に関して

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(画像:こちらのサイトよりお借りしました。)

場所が異なれば人のニーズは変わります。

沖縄における暖房器具のニーズと、北海道における暖房器具のニーズは異なりますよね。

うどんで考えても、大阪では薄い色のだし、東京では濃い色のだしが好まれます。

このように、その地域の気候や伝統、文化、地域別の所得差などを基準に市場細分化を行うのです。

地理的基準を中心に市場細分化を行い、マーケティング活動を行っていくことを

エリア・マーケティングとも呼ぶそうです。

このエリア・マーケティングを行うには、対象の地域に関する知識が必要です。

対象の地域の知識を得るためには

①実際にその地域に住んで、その地域の人の視点を持つ

②その地域のもつさまざまな特徴を統計的に理解する

という2つの方法が必要です。

①は地域をミクロ(細かく)の視点で捉える方法であり

②は地域をマクロ(大きい)視点で捉えていることが特徴です。

どちらの視点も持って地域を捉えることが重要であるということです。

たとえば、統計的なデータだけを頼りに

「この地域は金持ちが多いから、価格の高い商品が売れるに違いない!」

と分類しても、実はその地域は節約家が多かった、なんてこともあるのです。

以下、地理的に市場を細分化する際によく使われる基準をまとめておきます。

世界の地域、国:アメリカ、日本、中東、ヨーロッパ、環太平洋地域など

国内の地域:関東、関西、九州、北海道、沖縄など

都市の規模:5000人未満、2万人未満、5万人未満、10万人未満、50万人未満、100万人未満

人口密度:都会、郊外、地方など

気候:北部、南部、太平洋側、日本海側など

人口統計基準に関して

Toukei

人口統計(デモグラフィック)を利用して市場を分類します。

人口統計は、国勢調査をイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれません。

たとえば所得水準。年収300万以下の人と年収1000万以上の人ではニーズが異なりますよね。

他にも性別も大きな統計基準です。

ファッション雑誌は男性よりも女性の方が購入する人が多いですよね。

以下、よく挙げられる人口統計基準をまとめておきます。

年齢:6歳以下、6歳〜11歳、12歳〜19歳、20歳〜34歳、35歳〜49歳、50〜64歳、65歳以上

性別:男性、女性

家族の人数:1~2人、3〜4人、5人以上

家族構成:独身、既婚者子供なし、既婚者子供あり

年収:100万円以下、100〜200万、200〜300万、300〜500万、500〜1000万、1000万以上

職業:専門職、役員・経営者、事務員・販売員、投資家、農業者、退職者、学生、主婦、無職

学歴:中卒以下、高校中退、高卒、大学中退、大卒、院卒

宗教:カトリック、プロテスタント、ユダヤ教、イスラム教、ヒンドゥー教

人種:白人、アフリカ系アメリカ人、アジア人、ヒスパニック

国籍:北アメリカ、南アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、日本

心理的基準に関して

Heartmarketing

心理的基準は、消費者の内面、心理を基準にニーズを分けて市場を分類します。

たとえば、自己啓発本なんかは、野心的な性格を持つ人がよく購入しますよね。

他にも明るい人に比べて暗い人の方が本をよく読む、なんてこともあるかもしれません。

これはマーケター(マーケティングを行う人)の見方次第で様々な基準がありますが

主要な心理基準を以下にまとめておきましょう。

性格:衝動的、社交的、権威主義的、野心的

社会階層:下層、労働者階級、中流階級、上流階級

行動基準に関して

Koudoukijun

最後の細分化の基準がこの行動基準です。

これは「こう行動するなら、このニーズを持つだろう」という考えの下、消費者を分類します。

たとえば、まだ製品を買ったことがない人と、買った人ではニーズは異なりますよね。

他にも、ヘビーユーザーやライトユーザーといった使用頻度でもニーズは変化します。

心理的基準との違いが微妙なところですが、簡単な見分け方があります。

行動基準は実際に消費者の行動が関与しています。

(たとえば、使用頻度などは消費者の行動に着目しています。)

心理的基準は消費者の内面に着目し、行動はまだ起こしていない段階です。

(たとえば、性格は行動に関与しますが、実際に行動しているわけではありません。)

ややこしければ、この2つの基準はくっつけて考えても構いません。

本質は市場を細分化することができればよいのです。

以下、行動基準で分類するときの代表例をまとめておきましょう。

使用機会:日常的に使用する、特別な時にしか使わない

ベネフィット(利益の受け取り方):品質重視、サービス重視、安さ重視、便利性を重視、速さ重視

使用者のタイプ:非ユーザー、元ユーザー、潜在的ユーザー、初回ユーザー、レギュラーユーザー

使用頻度:ライトユーザー、ミドルユーザー、ヘビーユーザー

ロイヤリティ(お気に入りかどうか):なし、中くらい、強い、絶対的信者

購買準備段階:意識せず、意識あり、情報あり、関心あり、購入希望あり、購入予定

製品に対する態度:熱狂的、肯定的、否定的、敵対的

4つの基準から市場細分化を行う際の注意点

上に4つの市場細分化の基準を挙げましたが、それらを使って適当に市場細分化してはいけません。

4つの基準に加え、4つの条件が必要となるのです。

その4つの条件とは

(1)測定可能性

→標的市場(ターゲット)の規模や購買力が測定できるかどうか

(2)接近可能性

→標的市場(ターゲット)にマーケティング活動が行えるか

(3)維持可能性

→標的市場(ターゲット)がビジネスを維持できるだけの十分な規模を有しているか

(4)実行可能性

→標的市場(ターゲット)に対してマーケティングを展開できる能力があるかどうか

であり、市場細分化を行う際にはこれらをクリアしていなければ意味がありません。

1つ目の測定可能性について。

これは細分化した市場の規模や購買力が測定できなければ意味がない、ということです。

たとえば、心理的基準を使って、性格の明るい人と暗い人を市場細分化したとしましょう。

この場合、誰が性格が明るくて誰が暗いのかを、どう測定するのでしょう?

性格の明るい人の方が多いのか、暗い人の方が多いのか、それを測定する術が無ければ、この細分化は無意味ということです。

次に、接近可能性について。

これは実際に市場を細分化しても、実際に販売活動を行えなければ意味がない、ということです。

たとえば、地理的基準を使って、ヨーロッパとアジアに市場を細分化したとしましょう。

しかし、企業の予算上ヨーロッパまで活動範囲を広げることができなかったとしたら

この市場の細分化は無意味ということになりますよね。

3つ目の維持可能性についてです。

これは、実際に細分化した市場が、マーケティング活動を維持できるかどうかです。

たとえば、行動基準に従って、ヘビーユーザーに的を絞った市場の細分化を行ったとしましょう。

しかし、ヘビーユーザーの大量の需要に対応できる生産体制を持っていなければ、ターゲットにしてはいけませんよね。

最後に、実行可能性について。

これは細分化したターゲットに対して、実際にマーケティング活動を行えるかどうかです。

たとえば、牛肉を販売するのに、イスラム教の人をターゲットにしては販売活動ができませんよね。

このように、4つの基準に加え4つの条件で、市場を細分化しターゲットを絞る必要があるのです。

さらにターゲットを絞るには

さて、4つの基準と4つの条件をクリアしてターゲットが絞られたかもしれませんが

それでもまだターゲットの市場が大きい場合があります。

そんな時、よりターゲットを絞る3つのポイントを以下にまとめておきましょう。

  1. ターゲットの同質性
  2. ターゲットの操作性
  3. ターゲットの規模

まず、1つ目のターゲットの同質性について。

これは、ターゲットがニッチな市場かどうかで考えるとわかりやすいです。

たとえば、オーディオマニアの市場は非常にニッチな市場でしょう。

この人達はみな、オーディオマニアのサイトを見たり、専門誌を見ることが多いです。

つまり、オーディオマニアの人達にイヤホンを売ろうとすれば、そういったサイトや専門誌に広告をすれば最も効率が良いわけです。

ターゲットの同質性とは、ターゲットが皆同じ行動を取るか否かであり、その同質性が高ければ高いほど売りやすいターゲットと言えるのです。

次に、ターゲットの操作性について。

これはターゲットの規模が予測できるかどうかということです。

上の4つの条件であげた測定可能性に近いかもしれませんね。

より具体的に測定できるターゲットに絞ったほうが良い、ということです。

最後にターゲットの規模について。

これは純粋に商売にならないほど小さい規模まで細分化してはいけないとうことです。

企業の目的は利益の追求です。その目的を見失ってはいけません。

まとめ

さて、長くなってきたのでここらで今までの内容を簡潔にまとめておきましょう。

まず、「誰に」売るかを決めるための4つの基準を説明しました。

地理的基準、人口統計基準、心理的基準、行動基準地理的基準、人口統計基準、心理的基準、行動基準の4つです。

それら基準でターゲットを絞りますが、そのためには4つの可能性を考慮します。

その4つとは、測定可能性、接近可能性、維持可能性、実行可能性です。

それでもターゲットがまだ大きい場合は、以下の3つの条件を見てみましょう。

ターゲットの同質性、ターゲットの操作性、ターゲットの規模

以上、標的市場(ターゲット)の設定に関する記事でした。

少し抽象的で難しかったかもしれませんが、マーケティング・ミックスを勉強した後に

具体的な例をノートにまとめるので、今はなんとなくでOKです。

次回は4P’sのうちのProduct(製品)に関するノートを作成予定です。

それでは最後までご覧いただきありがとうございました。

参考文献

具体例を示しながらマーケティングの基礎をタイトル通りわかりやすく概説してあります。

第6章は非常にわかりやすくマーケティングの内容をまとめてくれています。

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