マンキューミクロ経済学を噛み砕いてみる 「経済学の十大原則」

マンキュー経済学、面白そう。

春休みに入って、バイトの面接も渋々受け、さあ次に何しよう・・・

ということで、大学の図書館で面白い本ないかなーと、ふらふら歩き回っていたら

『マンキュー経済学』という分厚い分厚い本を見つけました。

ぱらぱらと中身を見てみると、わかりやすい経済学の本。

どうやら世界中で定番テキストとして用いられているようです。

大学1回生の時に経済学を軽く勉強したのはいいものの、今となっては記憶の片隅。

どうせ春休み暇なら、この分厚い本を制覇してやるぜ!

どっちにしても、3回生になればマーケティングと経済学を絡める必要があるんだ・・・

ということで、暇あらばマンキュー経済学の演習問題を中心に、記事を更新していこうかと思います。

記事を読んでいる人には、演習問題から、マンキュー経済学を理解できるよう執筆していますので、経済学に興味がある方は是非読んでいただければ、と思います。

もちろん、私の解答が正しいとは限らないので、「これ違うだろ」と思った方は、バシバシ、コメントで知らせてください♪

とりあえあず今回の記事は第1章から、経済学の十大原則について、テキストの復習問題の模範解答を作成するとともに、その解説を書いてみようと思います。

人々はどのように意思決定するか

問1 自分の生活の中で重要なトレードオフを三つ挙げなさい。

問2 映画をみることの機会費用は何か

問3 水は生きるために必要である。コップ一杯の水の限界的な便宜は大きいだろうか、小さいだろうか。

問4 なぜ政策立案者はインセンティブを考慮すべきなのだろうか。

問1について

問1:模範解答

(1)大学生活の中で経済学を勉強することで、心理学やマジックの知識を捨てることとなっている。

(2)サークルの帰りに、ラーメンを食べるか定食を食べるかで悩み、結局ラーメンを食べた時、定食は諦めなければならない。

(3)大学院に進む場合、新卒での就職は諦めなければならない。

マンキューが唱える、十大原則のうちの一つが

「人々はトレードオフに直面している」というもの。

トレードオフとは、簡単に言えば「自分が好きな何かを得るためには、たいてい別の何か好きなものをあきらめなければならない。」ということです。

人々が意思決定を行うということは、同時にトレードオフにも直面している、ということです。

人々だけでなく、社会の意思決定にも同じことが言えます

社会におけるトレードオフを考える時、効率性(efficiency)公平性(equality)という2つの考え方が重要になります。

効率性とは、社会が希少な資源から最大限のものを得ている状態のこと。

公平性とは、経済的な繁栄が社会の構成員の間に均等に分配されていることです。

問2について

問2 : 模範解答

映画を見ることの金銭的機会費用は、映画のチケット代、および映画館にまで行くまでの交通費があげられる。

映画を見ることの非金銭的機会費用は、映画を見るのに費やす時間および、映画館までに行くまでの所用時間があげられる。その時間を使って、他のことができたかもしれない。

マンキューの唱える原則の二つ目は

「あるものの費用は、それを得るために放棄したものの価値である」というもの。

人々が意思決定を行う時、それは同時に何かを諦めることであることは、上述しました。

私たちは費用(コスト)と聞くと、とっさにお金のことを想像しがちです。

しかし、経済学における費用とは「ある意思決定を行うために諦めたものの価値」であるのです。

この価値のことを、機会費用と呼びます。

問3について

問3: 模範解答

水は生きるために必需品であるが、少なくとも日本国内においては、いつでも手に入れることができる。つまり、水を手に入れるための限界費用は小さい。

しかし、遭難中で喉が渇ききっている人にとっては、コップ一杯の限界的な便宜は大きい。ただし、その際の限界費用は大きい。

よって、コップ一杯の水の限界的便宜の大きさは、水を手に入れるための環境によって左右される。

経済学では、人々は合理的な選択をする、と想定しています。(行動経済学などは別にして)

人々が合理的な選択をする時、極端な対比で選択を行うのではありません。

非常に些細な変化から、人々は合理的選択を行うのです。

これを経済学では「限界的な変化」と呼びます。

ここでの「限界」とは、「端」という意味。

限界的な変化とは、人々の行動の端における調整と言えます。

試験期間に近づいた時、テスト勉強しようかどうか悩みますよね?

その時の「テスト勉強をする」という意思決定は

「1秒たりとも勉強しない」という端と「24時間勉強し続ける」端

といった、両極端な行動を比較するわけではありません。

「がっつり3時間ぐらい勉強しよう」という端「1時間ぐらいでいっか」という端の微妙な変化の間で、意思決定を行う、ということです。

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合理的な人は、限界的な便宜と、限界的な費用を比較し、行動の限界的な便宜が限界的費用を上回ったときにのみ、その行動を選択するのです。

今、上のテストの例で3時間勉強した時の例を考えてみます。

この時の便宜というのは「単位が取れたり、テストの点数が向上する」ことです。

逆に費用というのは、「睡眠時間であったり、友達と遊ぶ時間」です。

この2つを比較して、友達と遊ぶ時間も欲しいけど、テストの点数が上がったほうがいい!と判断した時、「3時間勉強する」方を人は行動するわけです。

以上、マンキューの唱える三つ目の原則「合理的な人々は限界原理に基づいて考える」です。

問4について

問4: 模範解答

政策というのは、人々の費用と便宜を大きく変化させ、意思決定を大きく変化させてしまう。

そのため、政策立案者はインセンティブを考慮する必要がある。

インセンティブとは、人々に何らかの行動を促す要因です。

合理的な人が便宜と費用を比較するということは、彼らがインセンティブに反応している、ということです。

いま、いままで100円だったハンバーガーが200円になったとしましょう。

この時、私たちの頭の中で費用の方が便宜を上回り「買うやる気」を無くします。

この時のインセンティブとは、「ハンバーガーが100円値上がりしたこと」。

このインセンティブに反応して、便宜と費用の比較を行ったのです。

政策のインセンティブの例を挙げてみましょう。

「シートベルトの着用を義務づける」法律ができた時の例です。

シートベルトを着用すれば、自動車事故による死亡率は低下します。

しかし、シートベルトをつけることによって、人々はより軽率にスピードを出すようになり、総合的な事故の数は増加、ドライバーの死亡者数は減ったものの、歩行者の死亡者数が増加するという結果になりました。

このように、政策は多くの人々にインセンティブを与えることから、きちんと考慮する必要があるのです。

以上をまとめて、四つ目の原則は「人々はさまざまなインセンティブに反応する」となります。

人々はどのように影響しあうのか

問5 なぜ諸国間の貿易は勝ち負けのあるゲームと異なるのだろうか

問6 市場の「見えざる手」は何をしているのだろうか

問7 市場の失敗の主要な原因を二つ説明し、それぞれの例を挙げなさい。

問5について

問5:模範解答

貿易は、各国が得意分野に特化し、より多様な材・サービスを享受することを可能にするため、勝ち負けの問題は発生しない。

五番目の原理は「交易(取引)はすべての人々をより豊かにする」というもの。

現代社会では、人は一人では暮らしていきません。

一つの鉛筆をつくるにしても、木材を仕入れ、黒鉛と粘土を混ぜ、消しゴムをつけるための真鍮を準備し・・・

つまり、一本の鉛筆さえ満足に作れないのです。

木材を仕入れるスペシャリスト、黒鉛を手に入れることのできるスペシャリスト、真鍮の・・・

あらゆる分野に特化した人々が取引をすることで、鉛筆というより多様な材・サービスが生まれるわけです。

これは、国と国の間になっても同じなのです。

問6について

問6 模範解答

主に自己の利益だけを追求し、誰も社会全体の利益を追求しないにもかかわらず、需要と供給の関係性によって価格が調整され、結果として社会全体の利益に繋がるという効果をはたしている。

第6原理は「通常、市場は経済活動を組織する良策である」です。

市場経済とは、経済学用語で、市場における多くの企業や家計(一般家庭)が、自由に意思決定を行い、材やサービスをやりとりすることができる経済のことを言います。

市場経済では、需要と供給によって価格が一定の位置で決まります

これをアダム・スミスは「神の見えざる手」と名付けました。

しかし、神の見えざる手も万能ではなく、政府が価格統制を行い、需要と供給のバランスを変えれば、神の見えざる手の力は弱まってしまうのです。

問7について

問7:模範解答

市場の失敗の要因としては、外部性と、市場支配力が挙げられる。

外部性とは、ある人の行動が、無関係な人に対して経済的厚生に与える影響のことである。

例えば、工場は自己の利益を追求し続けるが、廃水を付近の河川にそのまま流していたとすれば、住民に対して経済的な悪影響を及ぼしている。

市場支配力とは、一個人もしくは小さいグループが、市場価格を不当に左右できる能力のことである。

たとえば、一つの町で井戸が一つしかなく、そこからしか飲み水を得ることができない場合、町の人々の需要とは関係無しに、井戸の所有者は価格をつりあげることができる。

上では、政府の介入が需要と供給のバランスを崩壊させる、と書きましたが、必ずしもそうとは限りません。

「政府が市場のもたらす成果を改善できることもある」ことが、第七の原則です。

まず、政府は個々人の持つ希少な資源を保護する、所有権を保護する必要があります。

DVDがすぐに違法コピーされて、それを取り締まる法律がなければ、誰もDVDをつくりませんよね。

また、神の見えざる手によって決定された価格は、必ずしも正しい価格とは限らないのです。

効率性公平性(問1参照)を高めるために、政府の介入が必要になる場合があるのです。

まず、効率性の面から考えると

需要と供給の関係によって決定された価格では、資源がうまく配分されていない状態があります。このことを、市場の失敗と呼びます。

限りのある資源をうまく分配し、財・サービスの生産の効率を高めるためには、政府の介入が必要なのです。

次に、公平性の面から考えてみます。

市場経済においては、人々がどれだけ喜んでお金を払いたくなるものをつくりだせるかによって、報酬が決まってきます。

マジシャンより、ミュージシャンの方が多くのお金をもらっているのは、ミュージシャンの方がより多くの人々を楽しませているからなのです。

つまり、市場経済では不平等性が生まれます。マジシャンとミュージシャンの違いぐらいならばいいですが、まともに教育を受けられない人、適切な医療を受けられない人、明日食べる物寝る場所すらない人が出てきて当然なのです。

この人たちを救うために政府は介入するのです。

経済は全体としてどのように動いているか

問8 生産性はなぜ重要なのか。

問9 インフレーションとはどのようなものか。その原因は何か。

問10 インフレーションと失業との間には、短期的にはどのような関係があるか。

問8について

問8 模範解答

生産性とは、個々人の労働1時間当たりに生産する財・サービスのことである。

生産性が向上すればするほど、生活水準は向上する。

よって、生活水準の向上を考えた時、生産性の向上は欠かせないものとなるため、生産性は重要である。

国によってなぜ生活水準に格差や変化があるのでしょうか。

日本に住んでいる人と、アフリカに住んでいる人とでは、生活に大きな変化があります。

(これは、どちらの生活の方が良い、という意味ではありません。)

この答えは、各国の生産性の違いによって説明できます。

生産性とは、1人の労働者が1時間当たりに生産する財・サービスの量のことです。

この生産性が高ければ高いほど、生活水準は高くなるのです。

生活水準を変化させようとする政策を立てる時、それは個々人の生産性を高めるものでなければなりません。

これらの原則を、マンキューは「一国の生活水準は、財・サービスの生産能力に依存している」として、八番目に位置付けています。

問9について

問9 模範解答

インフレーションとは、あらゆる物価が上昇することである。

その原因は、政府が大量に紙幣を発行するためである。

インフレーションとは、経済において価格が全体として上昇することです。

物価が高くなればなるほど、様々な費用が発生してしまいます。

ゆえに、インフレを低率に保つことは、世界各国の経済政策の目標となっています。

インフレが起こる原因は、貨幣供給量の増大です。

政府が貨幣を発行しすぎれば、その分貨幣の価値が下がり、結果としてあらゆる物を買うために必要な貨幣の量が上がり、インフレとなるのです。

マンキューはこれを第九の原則として「政府が紙幣を印刷しすぎると、物価が上昇する」としました。

問10について

問10 模範解答

失業を防ごうとすれば、貨幣の供給量を増大させる必要があり、結果として消費者の需要を増大させ、財・サービスの生産量は増大する。

財・サービスの生産量を増大するために、雇用者を増大させるため、失業率は低下する。

一方、インフレーションを防ごうとすれば、貨幣の供給量を低下させる必要があり、結果として消費者の需要を低下させ、財・サービスの生産量は低下する。

財・サービスの生産量が低下することから、雇用者の数は減り、失業率は増大する。

ゆえに、インフレーションと失業との間には、短期的にトレードオフの関係にあると言える。

貨幣の供給量が増大して、最終的に物価が上昇することは間違いありません。

しかし、それは長期的な視点であり、短期的な視点で見れば、話は複雑になってきます。

多くの経済学者は、貨幣供給量の増大の短期的な影響について3つの意見を述べています。

  1. 経済の貨幣量の増大は、全体としての支出を刺激し、財・サービスへの需要を拡大させる。
  2. 高水準の需要によって、しだいに企業は価格を引き上げていくが、その途上において企業は雇用を増やし、財・サービスの生産を増大する。
  3. 雇用の増加は、失業の減少をもたらす。

簡単に言えば、お金をたくさんもらえたら、嬉しいですよね。

そのお金で、できる限り沢山のハンバーガーを食べたいと思います。

そうすれば、ハンバーガー屋はもっと多くのハンバーガーを作る必要があります。

そのためには、もっとアルバイトを雇う必要があり、失業者を助けることになる、ということです。

しかし、最終的にはインフレを引き起こしてしまうのです。

失業を防ごうとして、貨幣量を増大させれば、インフレを発生してしまう。

インフレを防ごうとすれば、失業率の増加を招いてしまう。

こう考えると、経済活動は全て、失業とインフレとのトレードオフである、と考えることができます。

1~2年という短い期間で考えた時、失業率を増加させるか、インフレを発生させるか、この両者の選択を経済は行き来します。

つまり、失業とインフレのトレードオフは景気循環の分析に非常に重要な役割を果たすのです。

景気循環とは、財・サービスの生産や雇用者数で測られた経済活動水準の、不規則かつ予測不能な変動のことをさします。

経済政策は、このトレードオフを利用し、様々な政策を行う必要があるのです。

これが経済十大原則のラスト、「社会は、インフレと失業の短期的トレードオフに直面している」です。

「経済学の十大原則」まとめ

以上、マンキュー経済学のテキストの復習問題を用いて、十大原則を解説しました。

今一度10個の原則を以下にまとめておきましょう。

人々はどのように意思決定を行うか

(1)人々はトレードオフに直面している

(2)あるものの費用は、それを得るために放棄したものの価値である。

(3)合理的な人々は限界原理に基づいて考える。

(4)人々はさまざまなインセンティブに反応する。

人々はどのように影響しあうのか

(5)交易はすべての人々をより豊かにする。

(6)通常、市場は経済活動を組織する良策である。

(7)政府が市場のもたらす成果を改善できることもある。

経済は全体としてどのように動いているか

(8)一国の生活水準は、財・サービスの生産能力に依存している。

(9)政府が紙幣を印刷しすぎると、物価が上昇する。

(10)社会は、インフレと失業の短期的トレードオフに直面している。

おわりに

さて、これにてマンキュー経済学の第一章の内容のまとめとなります。

大学の授業で経済学も学びましたが、複雑な数式まで出てくると

「あれ?俺って一体何やってたんだっけ?」

と思うことが多々あります。

そういった時に、この十大原則に戻ってくれば、より理解が深まるでしょう。

原則なだけあって、内容を理解するのは骨が折れましたね・・・

特に、(3)と(4)については今でもうまく理解していません。

しかし、テキストには読み進めていけば理解できる、と書いていたので、信じて読み進めてみようと思います。

最後に、参考文献や参考リンクを貼って終わりとしたいと思います!

ここまで読んでいただきありがとうございました。

参考文献・URL

めちゃくちゃわかりやすいテキスト。おそらく高校生でも読める。

マンキューさんの分厚いテキストがわかりにくい時に、ペラペラとめくると効果的。

この記事では、アダム・スミスの「水とダイヤモンドのパラドックス」と、鉛筆の分業の箇所を参考にさせてもらっています。

OUTPUT保管庫 マンキュー経済学 ミクロ編 第3版 第1章 復習問題

今回の記事の復習問題を、違う方のブログの方の解答例が掲載されています。

とりわけ問4の解答が詳しいので、気になる方は是非。

神戸大学『現代の経済』講義スライド

マンキュー経済学でググっていると見つけたので。より簡潔にスライドにまとめられています。

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