究極の鬱漫画『おやすみプンプン』のレビュー&各巻の名言まとめ

       
   

読んだ後、鬱になる勇気、ある?

ちょっと最近話題になっている、いや人気を取り戻しているというのでしょうか

Google AdSenseで『おやすみプンプン』という浅野いにお氏原作の漫画の広告をよく見かけます。

読んだ後、鬱になる勇気、ある?

をキャッチコピーにしてあるこの漫画、その名の通り鬱になること間違いなしの漫画です。

個人的には『闇金ウシジマくん』より心にぐさっとくる漫画の一つ。

私も昨年読んで1週間ほど鬱になっていた時期がありました笑

この記事では、物語のネタバレをしないようにレビューをした上で

1巻ごとに『心に残った、いや刺さった』名言(迷言?)を紹介します。

少しでも興味を持っていただければ幸いです。

どんな漫画なの?

この漫画の主人公、「プンプン」

彼は腕がゴムのように伸びるわけでもありませんし、髪が金色に光り輝くこともありません。

世界観は現実と同じで、彼は本当にどこにでもいるような少年です。

しかし、彼および彼の親戚だけは落書きのようなヒヨコで描かれています。

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(プンプン。彼が主人公)

周りの情景や人物は非常にリアルに描かれているのにもかかわらず

なぜ主人公をこのような抽象的な像を使っているか、その作者の意図はわかりませんが

具体的な主人公像を描かないことで、自己をプンプンに投影し、作品の世界へと溺れやすくしているのではないか、と私は解釈しています。

そして、この漫画は彼と彼の周りの人物の波乱の人生を描いていきますが

コラージュ的な表現、普通に考えてもさっぱりわけのわからない表現を多用しており、

読者の想像力を掻き立てた上で、私達が普段目をそらしたくなる内容を描き出しています。

家庭環境にあまり恵まれず、人と付き合うのが下手なプンプン。

そんな環境で暮らすプンプンのマイナスの感情がどんどん流れこんできます。

全部で13巻と、1日かけて一気に読もうと思えば読める量です。(所々休憩をいれたくなりますが)

具体的なストーリーはぜひ漫画をとって楽しんでみてください。

以下、印象に残ったセリフを各巻ごとに紹介してみようと思います。

1巻より

僕は将来どんな大人になるのだろう?

焦らずゆっくり考えればいいさ、なぜなら君には無限の可能性があるから・・・・・

なーんてことを真顔で言えちゃう大人になっちゃダメだよーーーーーー

プンプンの両親のどなり声から逃げるように部屋に入り

宿題で「僕の夢」というタイトルの作文を書いている時の心情を描写したセリフ。

私は家庭教師のバイトをしていますが、生徒にこれとほぼ同じようなセリフを浴びせています笑

でも、実際に自分がその子のことをどれだけ知っているかと言われれば、何も知りません。

それを年齢がただ低いというだけで、無限の可能性、という言葉を投げかけるのです。

何をやってもダメな子はダメだし、優秀な子は何をやっても優秀です。

でも、ダメな子に対して「お前はダメだ」とは口が裂けても言えませんよね。

「君には向いてないから、違う道探しなよ」と言ってあげた方が、「君には無限の可能性がある!」などという無責任な言葉より、よっぽど合理的ですよね。

まあ私も無責任な人間の一人なわけですが。

2巻より

プンプンは、わけもわからず涙が止まりませんでした。

本作のヒロイン、愛子ちゃんとの約束を破ってしまった罪の意識、ヒステリックな母親に対する怒りなのか、甘えなのかわからない心情。

そんな様々な感情が入り乱れてグチャグチャになった心情を短く的確に表現しています。

ただ「涙が止まらなかった」のではなく「わけもわからず涙が止まらない」のです。

本当に辛い時って、何でかわからないけれど涙が出ているんですよね。

心は無なんだけれど、涙だけは錠の外れた水道のように溢れ出てくる。

そんな経験、皆さんもありませんか?

3巻より

・・・いやぁ〜プンプンはホントいい子だねぇ ヘドが出るほど。

みんながみんな幸せなんてあり得ると思うかい?

人の幸せは他人の不幸の上に成り立ってるんだぜ?

どんな善人でも無意識に誰かを傷つけてるんだよ。

それとも世界中の不幸を引き受ける勇気が君にあるってのかい?

ねぇ弱虫のプンプン、他人に傷つけられないための一番の方法って知ってる?

先に殺しちゃえばいいんだよ。

好きな人が、他人と付き合っている時の心情を表現している場面。

でも、恋愛だけじゃなくて様々な所で当てはまるような気がします。

私も、みんながみんな幸せになることなんて不可能だと思うし

どこの誰かも知らない人の幸せより、自分の幸せの方が大事です。

自分が不幸になっても構わないから、相手を幸せにしよう

そんな勇気もない偽善者になるなら、自分だけ幸せになった方がマシです。

4巻より

子供の頃は手を伸ばすだけで掴めそうだった星空も、今はもう、ずっとずっと遠いところで知らん顔です。

中学生にもなると、自分に出来ることと出来ないことがはっきりしてきます。

小さい頃になりたかった夢も、無理だと自覚するようになります。

努力しない自分は少しだけ、それより周りの環境を憎みはじめます。

そんな子ども時代の気持ちを的確に表現している1文です。

5巻より

罪を背負った人間が本当に必要なものは罰じゃなくて、許される苦しみを知ることなんじゃないかって思うんです。

何か悪いことをした後、罰を受けます。でも、罰さえ受ければそれで終わりなのでしょうか?

自分が苦しませた人が、自分を許してくれることで、より罪の意識は強くなります。

その罪の意識を噛み締めながら生きていく、それが罪を犯した人に必要なのではないか。

罪と罰について考えてこなかった自分に、このセリフはとても頭に残っています。

6巻より

・・・アタシ、こんなことがしたかったんじゃないよ?

早く気づいてよ。・・・パパ。

あたしがパパにかけてほしい言葉は、そんなに難しい言葉じゃないんだよ?

大丈夫」って言って・・・「ごめん」って言って・・・

ちょっと省略して引用しました。

喧嘩から仲直りするには、一言「ごめん」と言えばいいんです。

異性の間なら「好きだ」の一言が言えればいいんです。

それだけで仲直りできるのに、その言葉を言ったら負け、そんな気がします。

「ごめん」の一言が言えずに、そのまま疎遠になった人たちが果たしてどれだけいるでしょうか。

この文はさらに自分は「ごめん」と言いたくない、人間のエゴも表現しています。

「ごめん」の一言が言える、そんな人になりたいですね。

7巻より

プンプン・・・君の死に場所はどこだ?その時君の命は燃えているか?

プンプン・・・考えるんだ。そして悩め!!そうやって自分の意思で選択するんだ。

たとえ何もわからなかったとしても、わかろうと前に進んでいる限り、自分は自分でいられるんだ。

この退屈な日常も、くだらない景色も、作り変えられるのは、自分だけなんだ!!

だからプンプン・・・君が君でいる限り、この世界は、君のものだ。

正直言って、この一節を理解できていません笑

ただ、「親」という存在を離れ、自分一人の力だけで生きて行く

生まれてはじめての「自由」を手に入れることは、反面すべての出来事に責任が生じます。

そんな独り立ちする際の「覚悟」がうまく描写されたセリフかと思います。

私はまだまだ親元から自立できていないから実感がわかないんでしょうね。

8巻より

一丁前に人並みの幸せとか感じてんじゃねーよ

カスのくせに。

こんな虚妄がいつまでも続くと思うなよ?

幸せな場面から鬱な場面へと展開していくこの描写。

漫画の背表紙にも使われているセリフです。

ふとしたことがきっかけで、自分のいる場所が面白くなくなる時ってありますよね。

自分が今感じている幸せは本当に幸せなんだろうか?

一歩下がって急に冷めきってしまう。

そんな感情をうまくあらわしているのかなぁと思います。

9巻より

あなたが思ってる以上に世の中のほとんどの人は、あなたのことなんか興味ないんです。

本当にその通りですよね。

だけどできるだけ多くの人に自分の存在を知ってもらいたい、褒めてほしい。

そういう気持ちからTwitterやFacebook、はたまたブログを一生懸命更新する。

でも、あなたが真剣に書いたその一言も、ほとんどの人にとっては「どうでもいい」

たくさんの人に自分のことを知ってもらおうとしたらキリがありません。

数少ない人が自分のことをわかってくれればそれで、じゅうぶんです。

10巻より

自分て・・・こんな顔だっけ?

嘘に嘘を重ねて、虚栄心しかない自分の顔が、はたして本当の顔なんでしょうか?

皆から「すごい!」と思ってほしい一心で、すごくもないことをすごいように見せる。

そしていつしか虚栄の自分と本当の自分との区別がつかなくなります。

そんな時、ふと鏡を見た時、それは本当に自分の顔と言えるのでしょうか?

11巻より

そういう事か、って感じですよ。僕は結局僕だよ。今も昔も。

プンプンが鏡で自分の姿を見た時、その顔が神様になっている場面のすぐ後のセリフ。

今まで幾度となく登場していた神様、それがもう一人の自分だと気付いた瞬間です。

12巻より

眠ったら・・・夢からさめてしまいそうで怖い。

なんだろう、このセリフも正直よくわからない、だけど惹かれるものがあります。

現実が夢なのか、夢が現実なのか。胡蝶の夢。

物語も終盤になって、壊れゆくプンプンをうまく描写しています。

13巻より

あなたがずっと私を忘れませんように

ヒロインの愛子ちゃんが短冊に書いた言葉。

見た瞬間に鳥肌が立ちました。

この言葉に『おやすみプンプン』の全てが凝縮されていると思います。

おわりに

いかがだったでしょうか?

根本的なストーリーにはあまり触れないように名言を拾ってみましたが

もうセリフだけでも鬱っぽい雰囲気がプンプンしていますね!

セリフだけでなく、その絵の表現も面白いですよ。

特に物語が大きく動く10巻からは目が離せません。

それでは最後までご覧いただきありがとうございました。

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